オホーツク海建マス、今期も厳しい走り
あす10日から親魚確保の自主規制入り
オホーツク海の建マス(カラフトマス、オホーツクサーモン)があす10日から15日までの日程で例年通り親魚確保のための自主規制期間に入る。極端な来遊不振と不漁年の年回りが重なり近年にない大不漁となった昨シーズン、豊漁年ながらも不調に終わった一昨年に比べると水揚げはまずまずで推移する地区もあるものの、不振が表面化する前の平成20年前後の水準に比べると主力エリアを主体に物足りない状況で、規制明け後の盛漁期に挽回を期待したいところ。
盛期ばん回期待、浜値早くも300円台も
網走海区漁業調整委員会の集計によると、7月末時点の網走管内合計水揚げは約13万尾、重量換算で250㌧の実績。早期から漁がなかった前年に比べるとまだ本番前ながら雄武、沙留漁協などで10倍、一昨年比でも2~5倍の実績としている漁協が多いが、主力の斜網エリアは前年比倍増までは届かず、一昨年同期に比べると網走で7割、斜里第一で5割程度とかなり厳しい走りに。管内総体では前年比尾数で3倍、重量で4倍ながら、一昨年比では尾数で3割減、重量でも1割減と不振。
今期も走りの漁が振るわないことを受けて価格は高騰気味で7月末時点で各地300円台前半から200円台後半、平均293円と早くも高値水準が続いている。
(週刊サケ・マス通信2013年8月9日号に掲載)
ロシアマス不振で状況一転
卵の輸入も様子見の展開に
(トップ記事から)札幌で開催された道荷主協会主催の取引懇談会の中で、輸入商社の阪和興業が今期海外のサケ・マス生産動向を紹介した。「マスの豊漁年ということでスタートした今期の新漁だが、ロシア・カムチャッカの不漁で状況が一変、魚卵製品含め難しい価格帯となっている」と述べた。
地区別には「アラスカ方面はマスが後半から持ち直し、チャムも予想水準並みの水揚げだが、カムチャッカの不漁が影響して原卵、イクラ製品ともに様子見の展開。ロシアは現在の主漁場サハリン、クリール方面は順調だが、総体では豊漁年ベースで大幅な減産となりそうで、アラスカ方面のパッカーからの引き合いも強まり、価格的に輸入は厳しい見通し」とした。