チリ冷ギン17カ月ぶり500円台に下落
【4月のサケ・マス類輸入】
<2015.6.5日配信号>
本年最多1万6千㌧も4月としては過去3カ年で最少
財務省通関統計に基づく4月のサケ・マス類輸入は、主力の冷凍ギンザケを主体に月間2万5685㌧、189億円の実績となった。前年同月に比べると数量で12%、金額で19%それぞれ少ない水準。例年4月にまとまりをみせる主力のチリ産冷ギンは1万6000㌧と今年最多の搬入としたが、過去3カ年の同月比では最も少ない水準にとどまった。
相場の下方修正はさらに進み、搬入単価はキロ563円と17カ月ぶりに500円台まで下落。これを受けフィレを含む総体単価も737円まで大幅に下げ、実に1年ぶりに700円台に落ち着いた。輸入養殖物の相場修正は、今後拡大するサケ・マスの国内流通に大きな影響を与えそうな情勢だ。(詳細記事については「週刊サケ・マス通信」のご購読をお願いします)
北海道定置漁業協会の第36回通常総会が5月26日札幌市で開催され、事業報告、事業計画案など計6議案について審議し、全議案を承認した。今年度の事業計画では、主幹魚種秋サケの資源問題がクローズアップされる中で規制緩和やTPP問題に加えて、新たに太平洋クロマグロの資源管理に関する対応など業界を取り巻く環境がより厳しさを増している現状を踏まえて、これまで以上の組織力強化を図る。また、消流対策としては、市民や観光客らに定着してきた旬の時期の同協会主催「秋さけ祭」を今年も10月3日にJR札幌駅南口で開くことなどを決めた。
4月15日に日本水域内の小型サケ・マス流網船の操業がスタートし、連休明けからはいよいよ沿岸の春定置によるトキシラズ水揚げが徐々に活発化。今年もまもなく春のサケ・マス商戦が本番時期を迎える。
前号に続き、北海道水産物荷主協会がこのほど実施した荷受機関・商社対象のアンケート調査から今回は「イクラ」について紹介する。設問は①販売の特色②改善要望③今年の展望―の3点。昨年は、前年の秋サケ復調で越年在庫が比較的多い状況での新シーズン入り。その結果、歳末商戦を迎えても全般に在庫整理に追われる展開となった。盛期の不漁で漁期途中から新物価格は上げに転じ、在庫処理に加えてこれがネックとなって「売りにくい」商戦が続いた。