道東・オホーツクでトキに代わって早くもブリ水揚げ
昨シーズンよりさらに1カ月早め? 暖流の影響か
道東、オホーツク方面で6月末から早くもブリの水揚げが始まっている。地球温暖化の影響に伴う沿岸水温の高温化が近年指摘されている中で道東・道北エリアでも過去になく水揚げが増えているブリだが、6月から獲れだすのは異例。その一方で価格の取れるトキシラズは急速に水揚げが減っており、生産者は首をかしげている。
7月8日、斜里第一漁協では1尾当たり5㌔サイズから8㌔アップまでのブリ50本ほどが水揚げされた。沿岸のマス網での水揚げされたもので、現在準備段階の網がまだ多く、カ統数が出揃っていないため量的にはさほどのまとまりにはなっていなかったが、地元定置業者も「この時期にこれほど獲れることは過去になかった」と困惑気味。
同日のブリ浜値はキロ190円。徐々にトキの水揚げが減って早い時期のカラフトマスへとシフトしていく季節ではあるが、肝心のトキシラズはわずか数尾程度と採算的にも振るわない。
同様に根室管内の羅臼、標津方面の春定置にもブリが入り始めており、これに代わってトキが皆無状態に。関係者は「日本海側から宗谷暖流がオホーツク海を抜けて知床半島をまたぎ根室方面へと入り込み、沿岸の暖水化が影響しているのではないか」と話している。
(「週刊サケ・マス通信」7月11日配信号に掲載)