最新記事ダイジェスト

来遊不振、異常気象――厳しさを増す捕獲・採卵

 <2014.11.25日配信号>

今期も根室、日本海など3海区6地区で自主規制措置

 オホーツク、道東方面の網揚げに伴い、現在えりも以西海区を中心に終盤戦の水揚げが続く道内の秋サケ漁。比較的順調に推移した序盤から一転、4年魚の極端な回帰不振を背景に近年最少ペースの不漁へと転落した。

 こうした不安定な回帰の影響を受けているのが資源造成の根幹をなす親魚の捕獲・採卵事業。今期も道内5海区中3海区で漁期中に垣網撤去などによる定置網の自主規制措置が取られており、近年は豪雨や沿岸高水温といった異常気象も加わって現場の厳しさは年々増している。三陸方面では震災の影響と近年の回帰不振が重なって今期初めて本格的な海産親魚の移殖を継続中。

 健苗育成、適期放流の前に必要量の確保という根本的ながらも規制以外の自助努力では改善の難しい問題が加わった形で、早急な対策が求められる一方で特効薬はなく、来シーズン以降もサケ漁業の大きな課題の1つとなりそうな情勢だ。
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11月に入り一部河川で4年魚のそ上急落

 <2014.11.21日配信号>

震災の影響か 岩手県技術センターが回帰分析

 岩手県水産技術センターはこのほど、今年度最初の「秋サケ回帰情報」を発表した。前期(11月10日現在)の来遊動向についてまとめたもので、この中で11月に入って一部河川で震災年級となる4年魚の極端な落ち込みが確認されるなど、震災の影響が出始めた可能性を指摘した。

 来遊不振が目立つ近年の中では比較的良好な推移をみせている今期の沿岸漁獲に対して、漁期前から懸案となっていた親魚の河川捕獲は10日段階で前年比3割減と不調。

 その一方で海産親魚の移殖など全県挙げた種卵確保対策の推進で、県増協がまとめた20日現在の収容種は約1億8000万粒とほぼ当初計画の水準にまで好転させている。ただ、震災の影響で今後さらに主群4年魚の回帰低下が心配されるため、同センターでは増殖関係者に対して種卵確保に向けた一層の尽力を呼びかけている。
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=特集・三陸サケ加工流通の現状と課題=

集荷能力の強化で買付競争が過熱

広島大学大学院生物圏科学研究科・山尾教授に聞く

 <2014.11.18日配信号>

 11月後半に入り三陸の秋サケ漁が今年も最盛期を迎えた。震災から3シーズン、主幹産業となるサケ加工流通業の復興については未だ個々で差がある状況ながら、加工業者によっては従前に比べて原魚の集荷能力を向上させるなど機能強化を図り、高次加工による国際競争力の強化や独自ルートの開拓で新たな方向性を模索する企業も出始めるなど、復興再生を機に流通や産業構造に大きな変化がみられている。

 一方で過熱する買い付け競争によりサケ加工から離れざるを得ない企業もあり、課題もまた多いのが実情だ。食料資源経済学が専門で、サケの加工流通と三陸復興に焦点を当てた調査研究を行っている広島大学大学院生物圏科学研究科の山尾政博教授に現状と課題について話を聞いた。
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中期4年魚半減、過去20年間で最少

さけます・内水試が今期道内秋サケの「10月不漁」を解析

 <2014.11.14日配信号>

 道総研さけます・内水面水産試験場がこれまでに実施した資源構造解析の結果、今期道内秋サケの不漁原因が主産地を中心とする中期4年魚の極端な回帰不振によるものと判明した。前年実績のほぼ半分、直近20年間で最も少なくなっており、通常なら年齢別の回帰比率が最も高くなるはずの4年魚が過去になく少ない異例の来遊パターン。

道東3海区大幅減も日本海、以西は予測値超え 東西で違い

cyuuki 当初予測に対してオホーツク、根室、えりも以東の道東3海区の4年魚回帰が大きく下回っている一方、日本海、えりも以西の2海区は予測値を上回るなど東西で回帰傾向に大きな違いも確認された。同水試では今後も解析を続け、今期の4年魚となる平成22年級群の資源量がなぜ少ないのか要因特定を含めた評価を進めていく意向。
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全道秋サケ 近年最低の2993万尾

=道連合会区委集計10月末=

<2014.11.11日配信号>

10月異例の低水準、平年比3割減

 道連合海区漁業調整委員会が集計した漁獲速報によると、10月末現在の全道秋サケ漁獲実績は2993万尾、496億円となった。前年同期に比べて金額では6%の微減にとどめるものの、尾数では17%、約2割の大幅な前年割れしており、不漁に見舞われた平成23、24年シーズンをさらに下回る近年最低水準にまで低迷している。特に10月の中期1カ月間の漁獲尾数は、1800万尾台後半で推移してきた直近4年間に比べて500万尾強、3割も少ない1333万尾と異例の少なさ。

最終でH23、24年下回る最低ライン更新の恐れ

 ここまで健闘をみせているえりも以西海域を除いて主力エリアは徐々に網揚げへと移り、残された漁期でのばん回がすでに難しい時期に入っていることから、最終実績はかろうじて3000万尾を超える程度の近年最低ラインにまで落込む恐れも出てきた。
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岩手で海産親魚の搬入が本格化

<2014.11.7日配信号>

関係者一丸で種卵対策、できる限り必要量の確保へ

 東日本大震災の影響で秋サケ主群4年魚の回帰減少による親魚、種卵不足が今期最大の懸案となっている東北エリアで、海産親魚のふ化場への移入が本格化している。現在実施されているのは岩手県全域と青森県太平洋側の一部。比較的順調に推移してきた前半戦の沿岸漁獲とはやや対照的に親魚のそ上は伸び悩み気味で、前期種卵の計画達成が難しい情勢の中で措置に踏み切った。

 昨年3年魚の動向から被災地区によっては後期の回帰が急落するとの想定もあり今後盛期に向けてかなり状況は厳しいが、関係者一体でできる限り必要量の確保を目指し将来の資源につなげていきたい構えだ。
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野生サケの保全目指す
札幌ワイルドサーモンプロジェクト始動

<2014.11.4日配信号>

「順応的管理手法」で放流抑制、自然産卵でそ上維持へ

野生魚テーマに豊平川さけ科学館が30周年記念フォーラム

フォーラム1 札幌市豊平川さけ科学館30周年記念フォーラム「豊平川と野生サケを考える」が3日、同市中央区で開催され、100人を超える関係者や市民が出席し研さんを深めた。「カムバックサーモン運動」の盛り上がりをきっかけに1984年の開館以来30年を数えるその歩みを振り返るとともに、本年新たに市民有志や行政、研究者らによって発足・始動した「札幌ワイルドサーモンプロジェクト(SWSP)」について紹介。

 ふ化放流魚に比べて環境への適応能力が強く遺伝的多様性を持つとされる野生種サケ(ワイルドサーモン)に対する関心が水産業界でも高まりつつある中、自然産卵による野生サケを優先的に保守することでより自然に近い環境づくりを進めようというもの。この中で今後の保全計画などについて説明が行われ、データに基づき毎年の稚魚放流数を調節する「順応的管理方式」という新手法を提案、活動の意義について理解を求めた。
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